パンは水の硬度によって美味しさが変わる!適した水とは?

パン
パンの材料となる水には硬水と軟水があり、それらは無機質塩の含有量などで分類されます。無機質塩が多ければ前者、少なければ後者となるのです。

パン作りにとって最適なのは硬水で、スムーズな発酵を促したり作業効率が向上し、生地の切れ味も良くなるなど様々なメリットがあります。

美味しいパンが作りたければ、硬度に注目してみましょう。

パン作りに使う水の種類と適正について

小麦粉
水を小麦粉へ加えると、グルテン膜ができて生地に弾力が生まれ、発酵した時に発生する炭酸ガスを抱き込む作用によって膨らみやすくなります。

小麦粉へ加える水の硬度が高いと、グルテン膜が硬く締まる傾向にあり、柔らかみと膨らみのある美味しいパンが出来上がるのです。

水には酸性やアルカリ性といった性質があり、それを数値で表すとpH値となります。

1~14の範囲で表され、中間のpH7が中性となります。

中性より下が酸性、上がアルカリ性です。

パンにはpH値は6~7程度の酸性寄りが適しています。
理由は、酸性だとイースト菌やパン酵母の働きが活性化し、生地が引き締まるからです。

逆に、アルカリ性の水を使用すると、パン酵母やイースト菌の働きが弱まり、発酵の進行も遅くなって生地の膨らみが損なわれます。

パンを作る時につい水道水を使ってしまう方も多いかもしれませんが、実はあまり適しているとは言えません。

日本の水道は硬度が低いため、小麦粉に含めるとグルテン膜が軟化しやすくなります。すると湿り化が増して、重くベタつきのあるパンが出来上がってしまいます。

グルテン膜が軟化した生地は切れ味が悪く、十分な膨らみも得られません。

硬度が高すぎるとパサつきが強くなってしっとり感が失われるので、必ずしも硬度の低さが悪いわけではありませんが、硬度が高めの方がより適しているのです。

日本で硬度の高い水を手に入れるなら、ミネラルウォーターが適しています。

しかしメーカーによって硬度の値は異なるので、やや酸性が強く、硬度が高いものを選ぶようにしましょう。

毎回、ミネラルウォーターを消費すれば費用も掛かりますが、美味しいパンを作るためにはある程度の出費も必要であると割り切ってください。

意外と知らない牛乳の重要性とは?

牛乳
生地を作る時に、牛乳を使用するパン屋さんは多いです。

というのも牛乳にはおよそ10%の固形分が含まれており、水と一緒に加えることで焼き上がりが硬くなったり、生地が締まりやすくなるからです。

水と同等の量を含めてしまうとグルテン膜が固くなって美味しさが損なわれるので、水分量の1.1倍程度の割合を使用するのが最適です。

牛乳に含まれている乳脂肪分が影響して生地の伸びが良くなり、パンに膨らみが生まれます。
パン酵母とイースト菌の働きも活発になるため、スムーズな発酵が促されるでしょう。

ただし、牛乳の割合が少しでも多いと生地のふっくら感が失われてしまうので、小麦粉に加える時は使用する量に十分注意しましょう。

美味しいパンを作る上で重要な材料は、小麦粉とイースト菌、塩と硬度が高いやや酸性の水、そしてお好みに応じて牛乳となります。

しかし、忘れてはいけないのが、パンの味付けを良くするのは塩や牛乳ではなく、水であるということです。

なかなか、理想的な味のパンが出来ないと悩んでいる方は、一度使用している水について考え直してみましょう。

いくら塩や調味料を付け足しても、味付けが良くなることはありません。

スーパーなどで売られている市販のミネラルウォーターには硬度やpH値が記載されているので、それを意識して選ぶと最適な水を用意することができます。

パン作りに慣れてきたら硬度の高さを調整して、自分好みのオリジナリティ溢れるパン作りにチャレンジしてみても良いでしょう。

パン作りは何度も試行錯誤を重ねていくことにより理想に近付くことができるため、非常に奥が深い料理なのです。